児童館の将棋教室(田中良夫先生の思い出)

〈佐久東児童館将棋の会〉

東児童館の将棋の会はひとりのおかあさんの「児童館で将棋を教えてもらえませんか?」という声ではじまりました。

2009年の春、児童館を通して田中先生に講師を依頼。田中先生がこころよく引き受けてくれて実現した会です。

 

月に2度、1時間の会ですが、田中先生はいつもマナーとルールを守って仲良く将棋を指すことの楽しさを教えてくれました。

将棋の会が始まる前にいつも大盤と将棋の心得「努力に勝る教師なし」「将棋道ルール マナー 守る」をこどもたちが事前にセットしてくれていました。

机に置かれた盤の上に駒を並べて先生を待ちます。

 

毎回20名を超える子どもたちを一人でご指導するのは大変だったと思います。

東中メンバーも時々お手伝いに行きました。


2011年2月23日(水)の将棋の会

今日は、田中先生が教えにいっていらした児童館の「将棋の会」
東中メンバーが行って来ました。

会の最初に、いつも田中先生が立って教えていらした大盤に向かって全員で「田中先生、ありがとうございました!」
総勢20名の子どもたちが頭を下げて、田中先生へ感謝しました。

 

東中メンバーだけではちょっと心配だったので、実は強力な助っ人を頼んでいたのでした。
(写真は、こどもたちに対局時計の使い方と高校生の大会について語る「強力な助っ人」岩村田顧問先生)

子どもたちは初めて見る「対局時計」に興味津々。
いつもは「バタバタバタッ」と終わってしまう対局もちょっとじっくり考えて。
相手の子が時計を押し忘れると、そっと教えてあげる気遣いがとっても可愛かったです。

 

助っ人先生の指導の下、東中メンバーは小学生たちに「矢倉の形・組み方」をそれぞれ子どもたちに伝授。
「これはどうすればいいんですか?」「次はどれを動かしたらいいの?」
こどもたちってすごい!
3回も並べたらみんな「矢倉の形」になっちゃった!
(写真は矢倉を伝授中の東中メンバー)

矢倉の形を覚えて、またみんなで時計を使っての対局。
終わったらみんな、駒を数えてしまっていました。
田中先生がみんなに教えてくれた大事なこと。みんなちゃんと守っていました。

私たちが帰るときに「楽しかったー」「また来てくださーい」と手を振ってくれたのがうれしかったです。
「ありがとうございました」と丁寧にお辞儀をしてくれる子もいました。
田中先生もいつもこんなあったかな気持ちを受け取ってお帰りになったんでしょう。

楽しい会でした。


2011年3月9日(水)の将棋の会

児童館で今年度最後の将棋の会が開かれました。

前回に引き続き、東中メンバーと助っ人の岩村田高校顧問の先生。
前回は「矢倉」で守り方を勉強したので、今回は「棒銀」で攻め方の勉強です。

「みんな、矢倉の組み方覚えてますかー?」
「はーい!」
元気よくあがる 手・手・手!

田中先生の大盤を使って、岩村田顧問の先生が棒銀を教えます。
そして、即実戦!
中学生のおにいさんたち相手に元気のいい銀が次々と繰り出します

 

みんなの指している将棋を観戦するのも勉強。観戦のマナーも教えてもらいました。
静かに声を出さないで、対局している人の邪魔にならないように適度に離れて・・・・。

腕を組んで手を出さないように、口を真一文字にして声が出ないように・・?お行儀よく観戦して勉強してました。

 

田中先生が教えてくださったことをみんなちゃんと覚えていて、将棋に対する姿勢、マナー、基本ができていたので岩村田顧問先生はとても教えやすかったそうです。

「中学生に勝った人ー!」
「はーい!」
元気よくあがる、手・手・手・・・。

 

「田中将棋教室のまとめとして、矢倉と棒銀をやりました。田中先生はこの戦法を得意としていました。とても優秀な戦法です。みなさんも、将棋を指す時に是非覚えたことを思い出してこの戦法を使ってみてください」

田中先生が教えてくださった将棋の楽しさを、田中先生の大好きだった戦法で仕上げてくださった岩村田顧問の先生には本当に感謝です。


田中先生の大盤も、銀が大活躍をしてとてもうれしそうに見えました。

 

今日は、田中先生の息子さん、娘さんも教室に来てくださいました。
田中先生の楽しんでいた将棋教室、こどもたちの笑顔をみていただけてよかったです。

サイトを、掲示板を見てくださっている皆様へのメッセージを預かっています。

「父は皆さんにお会いできて幸せでした。たくさんのメッセージをありがとうございました。この場を借りまして感謝と御礼を申し上げます」

田中先生のご家族のみなさんとお話を交わす中で、あふれるように出てくる感謝の言葉。
将棋の世界でみんなが田中先生に感謝をしていたように、ご家族のみなさんも田中先生を包んでいた長野県将棋界のみなさんに感謝のお気持ちを持っていらっしゃることをお伝えしたいと思います。


児童館に「将棋の会を開いて欲しい」とお願いをした言いだしっぺのおかあさんも駆けつけてきてくださいました。
田中先生が紡いでくださった人の輪、つながり・・・。将棋を通じてこれからも広がっていったらすてきだな、と思います。

「みんな仲良く」
田中先生の声が聞こえてくるようです。楽しい将棋教室でした。